eスポーツベッティングの期待値をCS2の実例で徹底解説
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期待値は、長期的に勝つ者が——そう呼んでいるかどうかは別として——全員が追いかけている数字だ。答える問いはひとつ。この同じベットを1000回繰り返したら、プラスで終わるのかマイナスで終わるのか、そして1ベットあたりいくらなのか。ベッティング戦略の他のすべては、そこから派生する。理論で溺れさせる代わりに、CS2の1試合を通して教えよう。
計算式をそのまま書き出す
賭け金1単位あたりの期待値は次のとおり。
EV =(勝つ確率 × 勝ったときの利益)−(負ける確率 × 失う金額)
EVがプラスなら長期的に利益が出る。マイナスなら資金は削られていく。ゼロならマージンを差し引いた後でコイントスと同じだ。概念はこれで全部である。難しいのは式ではなく、そこに入れる確率を正直に見積もることだ。
実戦さながらのCS2の一戦を設定する
マップ2、FaZe対NAVI。ブックメーカーはFaZeのマップ勝利をデシマルオッズ1.80で提示している。純粋な2択のマーケットだ。
まず、この価格が示唆する確率は何か。インプライド確率はオッズの逆数になる。
1 ÷ 1.80 = 0.556、つまり55.6パーセント。
この数字にはまだ控除率が乗っている。NAVIは2.10で、インプライド確率は47.6パーセント。足すと55.6 + 47.6 = 103.2パーセント。100を超えた3.2ポイントがマージンだ。各サイドを103.2で割って取り除く。
- FaZeの公正確率:55.6 ÷ 103.2 = 53.9パーセント
- NAVIの公正確率:47.6 ÷ 103.2 = 46.1パーセント
つまり市場がFaZeに与えている正直な評価は約53.9パーセント。この数字を覚えておく。ベンチマークになる。
自分の見積もりを持ち込む
ここからがハンディキャッピングだ。大会を通して両チームを見てきた。このマップはFaZeの得意マップで、Tサイドのテンポも噛み合っている。一方のNAVIはここで既に2度ぐらついている。FaZeがこのマップを取る確率は59.5パーセントだと正直に考えている。
ベットのすべては、ひとつの差に宿る。自分の見積もりは59.5パーセント、市場の公正値は53.9パーセント。5.6ポイントの食い違いであり、素のインプライド確率55.6に対しては差はさらに開く。このベットを反転させるのはその差だ。両側を並べて、実際に反転する様子を見せよう。
EVを計算する
FaZeに1.80で100単位ベットする。勝てば180が返るので利益は80。負ければ100を全額失う。
まずは市場自身の公正確率53.9パーセントで回し、ブックメーカーが何も与えてくれないことを確認する。
EV =(0.539 × 80)−(0.461 × 100)
= 43.12 − 46.10
= マイナス2.98単位。
市場の正直な評価どおりなら、FaZeへのベットは100単位あたり長期で約3単位を失う。控除率が噛んでいる証拠だ。市場に対する優位がなければ負ける。毎回だ。それがベッティングの初期状態である。
次に自分の見積もり59.5パーセントで回す。
EV =(0.595 × 80)−(0.405 × 100)
= 47.60 − 40.50
= プラス7.10単位。
オッズは同じ。ベットも同じ。変わったのは確率だけで、市場の53.9から自分の59.5へ動いた。この5.6ポイントの差がEVをマイナス2.98からプラス7.10まで引っ張り上げた。たったひとつの数字の力で、ベットは負け筋から堅実な勝ち筋へ反転したのだ。
損益分岐点を正確に求める
このベットがゼロを跨ぐのはどこか。EVをゼロと置いて確率pについて解く。
p × 80 =(1 − p)× 100
80p = 100 − 100p
180p = 100
p = 0.556、つまり55.6パーセント。
この損益分岐確率は素のインプライド確率と完全に一致するが、これは偶然ではない。真の勝率が55.6パーセントを超えれば、このベットはプラスEVになる。下回れば負ける。自分の59.5はラインの十分に上にある。市場の公正値53.9は下にあり、だからこそブックメーカー自身の数字はベッターに損失をもたらす。ゲームの本質は、自分の正直な読みがこの分岐点を意味のある幅で上回る場面を見つけることに尽きる。
この例が本当に教えていること
この1例から3つのことが導かれる。
- このベットが良いのはFaZeが本命(フェイバリット)だからではない。自分の確率が価格を上回っているからだ。本命がマイナスEVになることも、格下(アンダードッグ)がプラスEVになることもある。ラベルには意味がなく、意味があるのは差だけである。
- 確率のわずかな優位が、EVでは現実的な優位に化ける。5.6ポイントの差が100単位あたり7.1単位になった。市場より劇的に賢くある必要はなく、特定の場面で一貫して、そして正直に、少しだけ上回ればいい。
- 弱点は数学ではなく自分の見積もりだ。式は単純そのもの。願望込みの59.5パーセントではなく正直な59.5パーセントに到達することこそが技術のすべてであり、大半のベッターが自分を騙すのもそこだ。
最後の点には警告が必要だ。すでに賭けたいと思っているベットがプラスに見えるよう、確率を逆算してしまうのはあまりに簡単である。規律とは、先に見積もり、後で価格を見ることだ。自分の数字が、もともと応援していたチームでばかりプラスEVを弾き出すなら、それはハンディキャッピングではなく正当化である。
EVは1回のベットについては何も保証しない。期待値でプラス7でも、そのFaZeのマップは普通に落とす。59.5パーセントとは10回のうち4回は負けるという意味だからだ。報われるのは、正直なプラスEVベットを大量に積み上げた先だけである。無理のない範囲で賭け、娯楽として楽しみ、楽しくなくなったら離れたい。18歳以上限定。
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FAQ
eスポーツのベットで期待値はどう計算しますか?+
EV =(勝つ確率 × 勝ったときの利益)−(負ける確率 × 失う金額)で計算します。オッズ1.80で100単位を賭けるなら、利益は80、損失は100です。正直な勝率が59.5パーセントなら、EV =(0.595 × 80)−(0.405 × 100)= プラス7.1単位となり、長期的に利益の出るベットだと分かります。
プラスEVとマイナスEVを分けるものは何ですか?+
自分の真の勝率が、オッズの損益分岐確率(デシマルオッズの逆数)を上回る必要があります。1.80なら損益分岐点は55.6パーセントです。市場自身の公正値である53.9パーセントで賭ければEVはマイナス(約マイナス3単位)ですが、より高い59.5パーセントという見積もりならプラスに反転します。自分の読みと価格の差がすべてです。
プラスEVならそのベットは勝てるのですか?+
いいえ。プラスEVとは多数回の繰り返しの平均で利益が出るという意味であり、個々のベットの結果を保証するものではありません。EVがプラス7のベットでも負けることはあります。勝率59.5パーセントとは、10回のうちおよそ4回は負けるということだからです。EVが報われるのは、正直なプラスEVベットを大量に積み重ねた場合だけです。
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